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CA-Column

コラム

Ⅶ. その他

気になる客室乗務員の保安業務とは?

客室乗務員を目指す人にとって、イメージとして浮かぶのは保安要員としての客室乗務員よりもサービス要員ではないでしょうか。

しかし、新入訓練では9割を保安業務に割くという現実。
そう、CAは保安業務が第一業務なのです。

でも、「具体的にどんなことをするのかイメージできな・・・(汗)」
という人のために、CA経験者として今日は基本的な客室乗務員保安業務についてお伝えしますね。

1. 客室乗務員が乗る意味

まず初めにこれを確認しておきましょうね。

客室乗務員はなぜ飛行機に乗っているのか?

CAは食事を配るために居るのではありません。
法律的に居なくてはならないから乗っているのです。

航空法で定められており、機材のドア数、座席数などによってCAの最低数が定められています。

座席数50に対してCAは最低1人配置、それ以上はドア数に合わせたCAが乗務することになっています。国際線はそれプラス、サービス要員としてCA数が増えます。だからドア数よりも多く乗っていることが多いです。

私はデビューがB747-400という大型機(2階建て)だったので、ドア数が12で国内線でも12名のCAが乗務していました(多いですね)。
同時に資格取得していたB767-3006名での乗務。その後取ったA3204名での乗務。

緊急時にCA一人が担当する区分の人数が50人以上にならないように設定されています。

というわけで、旅客機を飛ばすために法律で定められているからCAが乗務していることはおわかりいただけましたね。その意味で、第一の業務は保安業務なのです。

2. セプテンバーイレブン9・11を境に強化

そんな客室乗務員の保安業務ですが、2001年の同時多発テロ、いわゆる911を境に強烈に強化されたことは知っておかなくてはいけません。

どう強化されたのか。
例えば、それまでは、上空で乗員(パイロット)さんのコーヒーを持ってわりと気軽にコックピットに入っていました。新人には「富士山見えるからおいで~♪」なんて気を遣ってくださるキャプテンも普通にいました。私も経験者です。コックピットという特等席から富士山を見たものです。もちろん、コックピットに入るときはもう一人CAがドアの前に立って不審者がいないかをチェックしたり、カーテンを閉めてコックピット内が見えないようにはしていましたけどね。

エアラインによっては、飛行機が地上にいるときは(搭乗中)頼めばコックピットクルーと一緒にコックピットで写真を撮ってもらえたりもしていましたね(今でも一部外資ではあるかもしれませんが)。

それが、あの9・11以降は、「何が起こってもコックピットのドアは開けない」という体制へ変更されたのです。飛行機の操縦をコックピットクルー以外にさせる余地を与えないという意志ですね。

その他、出発前のセキュリティチェックにペットボトルのチェックが追加されたりなど強化されましたし、空港や機内でも、より不審者不審物について厳しく目を光らせていくことになりました。

3. 地上での保安業務

では、実際の保安業務ってどんなことがあるの?
というところを見ていきましょう!

頭の中にイメージしやすいように「地上・上空」というシーンに分けてみていきますね。

 ◆地上の保安業務◆ 

不審者、不審物、顔色、酔っている方、持ち込めない物、使えない物、機内機器の保安、ドアモード含め各種機器類を正しく扱う、離陸準備に関する保安業務(ベルト、テーブル、シートバック、フットレスト、手荷物収納、収納扉、ギャレー収納などいつも乗客がやるよう依頼されることですね)など

 

地上にいる間、つまりドアが開いている間は、不審者や不審物を降ろすことができるので、本当に乗せて大丈夫な物・人か?上空で異変を起こさないか?という観点でアンテナを張ります。

不審物が上空で爆発したら困るし、不審者が機内迷惑行為をしても困ります。
そして体調に関しては上空は気圧が低いので地上では大丈夫そうでも上空で急変することも考えられるため、顔色は気を付けていましたね。特に国際線のロングは一層気を引き締めて。

あ、あと酔っていらっしゃる方も・・・!
上空では気圧の影響で更に酔いやすくなるうえに、体調が変化して倒れられることも。。
なるべく上空で大変なことにならないように地上のうちに発見して対処しておく、という感じです。

その他、飛行機に興味を持っている人がドアに近づいて操作したりしないか、コックピットに近づくなど不審な動きはしていないか、一度機内に入ったのに戻っていくような動きの人はいないかなどあらゆる視点でチェックしつつご搭乗中のサービスをしているというわけです。
これに以前は、搭乗中は使えないけど上空でなら使える電子機器も細かく設定があったのでそちらにも目を配りながら、でしたね。

確かな知識と広い視野が必要な仕事です。

4. 上空での保安業務

では次に、離陸してからの保安業務です。

 ◆上空の保安業務◆ 

ベルト常時着用、火災に関すること、体調の変化、酔っ払い、不審な動き、旅客同士のトラブル、機内機器の保安、機内でけが人が出ないよう目を配る、着陸に関する保安業務など

 

離陸したら、サービスが進むにつれてお客様の環境や心理状態などが進行・変化しますよね。
それぞれのシーンに応じて↑について気を付けて見ていきます。

食事中や食事後はベルトをはずされる方もいらっしゃいますが(わかりますよね、リラックスして食べたいもの!)、ベルトをしていないとどんなことが起こる可能性があるか?をお伝えして協力してもらう必要があります。予告のない急なスポット揺れがあったときベルトをしていないと怪我をしますので、常にベルトを締めておく必要があるわけですが、お客様はそういった日常との違いを全てイメージできる人ばかりではないため、丁寧な説明が要るのですね。

あとは、アルコールによる体調変化や、体調が悪化される方、時間の経過による機内ストレスからのお客様同士のトラブル、お子様の機内機器操作など、

要するに、飛行機という空間での「暮らし」で起こるありとあらゆることに目を配っていくのがCAの仕事ということです。

また、地上/ 上空に関わらず、常に意識しておくこととしてこのようなことがあります↓

 ◆常時保安業務◆ 

異常音、異臭、火花、炎、煙、衝撃、異常な機体の揺れ・姿勢など

 

それ以外にも常にいつなんどきでもできるように知識の確認とイメージトレーニングが必要とされている事に次のようなものがあります。

緊急時(火災、急減圧、ハイジャック等)の手順、機内装備品(消火器やスモークフードなど)の使い方、緊急着陸・着水時(後)の手順、急病人の対処、機内迷惑行為への対処、機種ごとの緊急時の操作など

忘れることのないように日々フライト前やオフのとき、レビューしてイメージトレーニングをしています。
こうして言語化するとそれだけでも覚える知識は膨大な量になることが想像できると思います。

5. サービス < 保安

法律で決められている保安要員としての立場でやるべき保安業務が少しは想像できたでしょうか。

華やかで優美な面がクローズアップして見られがちな客室乗務員ですが、訓練には本当に多くの時間を割いて保安業務のことを習得します。知識も行動も。お客様の命がかかわるので当たり前ですが。

それでいてサービスに関する知識も日々変わるうえに膨大ですし、機種ごとに動きも変わるので本当に大変。

ですが、だからこそ、お客様からの感謝のお言葉には心から嬉しくなりますし、クルー皆で作り上げるフライトには達成感があるというものです。

いつも優先は保安業務。
そんな客室乗務員を魅力的と感じてもらえたら嬉しいです^^

 

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