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コラム

Ⅶ. その他

CAの採用が多様化する可能性~通年採用 

ANAが2020年新卒採用の中断を応募者に通知した際、通年採用をにおわせる言及をしていたことから、今後はCA採用も春の一括採用ではなく、また、不定期既卒募集ではなく、通年での採用活動となるところも出てくる可能性があるかもしれません。
考察です。

通年採用って何?

まずは、通年採用の意味を確認しておきましょう。

通年採用とは文字通り、新卒・中途を問わず企業が年間を通して必要性に応じて自由に採用活動を実施することです。外資系企業や欧米などで主流の採用方法として知っている方も多いかもしれません。

日本はというと、春の新卒一括採用が大半でしたが、留学生や帰国子女の増加などによって採用時期の対応が求められたこと、グローバルな人材の必要性の高まりを受けたことから近年取り入れる企業が増えています。

通年採用を取り入れている企業としては以下の企業がよく知られていますね。
・ソフトバンク
・ユニクロ
・ネスレ日本
・ユニリーバ
・ヤフー
・メルカリ
・クックパッド・・・etc.
採用時期は企業によってまちまちですが、次の3パターンに分けられるようです。
  • 春・秋の年2回採用
  • 春・夏・秋、もしくは春・秋・新年の年3回採用
  • 一年中いつでも

通年採用を取り入れる理由

企業はどのような考え想いを持って通年採用を取り入れているのでしょうか。
先述の企業を例に見てみます。

ユニクロ

“一人ひとりが仕事について真剣に考え、主体的に行動し、納得した将来が送れるように、ユニクロでは、一年中いつでも応募を受けつけています。学年、新卒・中途、国籍を問わないオープンな採用方法にすることで、みなさんが、自分にふさわしい仕事とは何かを考えるチャンスを増やし、一人ひとりが主体的に、自由に応募できるようにしています”

ソフトバンク

“将来を担う人財には、自分の可能性を限定せず、意思を持って主体的に進路を考え、選んでほしい。企業は、必要な時に、必要な人財を採用する。それを実現するのが、本来あるべき普遍的(ユニバーサル)な採用だと確信し、ソフトバンクは2015年より「ユニバーサル採用」をスタートいたしました”

ネスレ日本

“企業に選ばれるのではなく、皆さんに主体的に就職活動をしてもらいたい。留学や研究など、より一層学業に打ち込めるように、就職活動の時期を選んでエントリーしてもらいたい。多様な人材が協働し、シナジー効果を最大化することによって、組織(ひいては社会)を活性化させたい。このような思いから、 ネスレ日本は2013年度新卒採用より年齢・学歴・国籍などの採用対象を限定せずオープンにエントリーを受付け、選考時期・選考方法を皆さんが自律的に選択できるエントリーコースとして「ネスレパスコース」を実施しています”

日本ユニリーバ

“ユニリーバは通年採用へ。もっと幅広く、もっと自由に。いつでもどこでも、ご自身の未来を考えることができる会社です。1度受験されると、1年後まで本選考においても再受験はできません。1年経っていれば、何回でも応募することは可能です”

面白いですね。

どの企業も、「主体的に」仕事や人生について考え、選んで欲しいと言っています。

つまり、与えられて動くのではなく、自ら考えて行動する人材を欲しいと考えていることがわかりますね。

通年採用をする企業側・応募者のメリット

企業側のメリットとは

・主体的に考えて選んできた人に出会える。
・一括採用のデメリットともいえる内定辞退に対し、時期に左右されず適切なタイミングで補完採用できる。→ 追加コスト防止
・専門的な能力を保有している人材や、就労経験を持つ即戦力人財など、春の一括採用では出会えない多彩な人材を企業側のタイミングで採用できる。→ グローバル化や変化に対応

応募者側のメリットとは

・自ら就活時期を選ぶことで主体的に働く意欲が湧く。
・採用時期に振り回されずに、留学や学業などに打ち込める。
・採用時期の分散によってスケジュールに余裕がでる。過酷な新卒就活ではなく一社一社に注力できる。
・新卒で逃しても、規定の時期を経れば再チャレンジできる。

通年採用をする企業側・応募側のデメリット

企業側のデメリット

・採用広報や媒体への告知代、イベントなどの募集コストがかかる。
・内定者への研修を適宜行う必要があるためコストがかかる。

応募側のデメリット

・様々な背景の人が応募するため、選考基準が高くなる。
・採用時期が企業によって異なるため、就活者は自発的に情報を拾いに行くなど就職活動を行う必要がある。

 

う~ん、デメリットが少ないですよね^^
2021年卒からは、経団連が就活ルールを廃止し、情報解禁や採用選考開始で足並みをそろえるのをやめますし、「みんな一緒」から「それぞれ」に採用活動もシフトしていくことは確実ですね。

では、CAの世界ではどうなのでしょう?

今までは、
・大手をはじめとする主要エアライン:新卒一括採用 / 6月頃の既卒採用
・その他:必要に応じて既卒採用

という感じでやってきましたよね。
だから、だいたいの流れが読めていました。
ですが、ANAがこのように↓言っているように、CA採用も通年採用へとシフトしていく可能性が大いにあると考えられます。

「企業の採用のあり方も見直される時代に入りました。将来の採用再開にあたっては、他業種での経験や専門性を持った多様な人材を募集することも含めて検討して参ります。」

*ANA2020年CA採用 ES応募していた志願者への採用中断お詫びメールより抜粋

CA採用が通年採用になることで起こる変化

CA採用が通年採用になることで、どのようなことが変わると思いますか?

 

新卒・既卒の枠が取っ払われることで、様々なバックグラウンドの人が集結します。

・社会経験豊富なツワモノ
・CA経験者
・留学経験者
・3か国語以上話すツワモノ
・高スペックな人

などですね。
そして新卒の方や、第二新卒の方がミックス。
もちろんね、高スペックな凄い人ばかり採用されるわけではなく、多様な人材を多面的に考えて採用していきますので、極度に不安になる必要はありません。

でも、強敵が増えることは確実だと考えています。既卒の方も受けやすくなるでしょうからね。
英語力も平均が上がるのでしょうし、そして、より自立した人が求められていくのではないでしょうか。

そんな人たちの中でキラリと光る人である。

つまり、自分の価値を高めていきましょう。人として、ね。

 

コロナ後にはCAとして求められる資質がどうなっていくか?を絡めてお話ししたいのですが、長くなるので今日はここまで。

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