自己分析ツールで自己分析を完了してはいけない話
最近、就活のトレンドとなっている 自己分析ツール。
心理テストのようなものに30~100問ほど答えると自分の性格の特徴や強みがわかる診断ですね。
受けたことはありますか?
就活サイトなど複数の会社が無料で提供していますよね。
で、ですね、「このツールで自己分析を完了する人もいるようです」とCA志望の就活生に聞いてびっくり仰天したのですが!
私はこの流れを知りませんでした。
危う過ぎます!
今日は、自己分析ツールで自己分析を完了することの危うさについてお伝えしようと思います。
自己分析ツールからわかることとは?
「自己分析ツール」で検索すると山ほど出てきますが、自己分析ツールでわかることとはなんでしょう?
・性格の特徴、傾向
・強み
・向いている業界、職種
などが多いようです。
中には、社会人基礎力を数値で表したり、ストレス耐性がわかるものもありましたよ。
リクナビ、マイナビ、キャリアパークなどの就活エージェントが提供しているものの利用者が多いようですね。就活でログインするのでその時に目に入るから診断をしてみたという人も多いのでは。
各社もの凄くこの診断系に力を入れていることがうかがえました。診断をきっかけにサイト(会社)を利用してもらいたいからですね。それだけ診断に多くの人が興味を持っているということでしょう。
日本人は「診断」大好き国民と言われていますものね!
自己分析とはそもそも何か
そもそも論に戻って確認してみましょう。
自己分析とはそもそも何でしょう?
何のためにするのでしょう?
【 CA志望者が自己分析をする目的 】
1) 自分をよく知り、価値観の軸をみつけるため
2) 自分がどのような人間で、志望エアラインCA像に
いかに適しているかを適切な言葉で伝えるため
こちらにも詳しく書いていますのでご一読ください↓
自己分析こそCA内定への王道である訳
やり方は、過去から遡って自分の歴史を棚卸しします。事実と感情をできるだけたくさん棚卸しすることで、客観的な自分の共通点そして価値観を見つけられるわけです。自分がどういうことを好み、どういうことで挫折し、どういう性格傾向があって、どういう環境で育ってきて、どういう価値観がどのようにして醸成されたのか、ということを「事実」からあぶり出すのです。
そして最終的には、「私はこういう人間です」と一言で言えるまで理解する。
分かりやすくESや面接官に伝えることが出来るようにする。
そういうために自己分析はするのです。
自分を知る(具体) → 価値観を言語化する(抽象)
です。
矢印が違う
もうお気づきの方もいるかもしれませんが、自己分析ツールというものは矢印が違います。
診断結果(抽象度が高い)→ フィットするエピソードを自分の歴史の中にみつける(具体探し)
診断はこの順番となります。
そのため、診断で導かれた自分の性格や強みはなんとなく当てはまっているかもと思っても、具体的なエピソードを探しに行かなくてはなりません。
実際、私に教えてくれた就活生の方はそのようにおっしゃっていました。
それはそうですよね、自分の中から出てきた答えではなく、診断ツールという不特定多数の人に施すために作られた質問と評価ですからね。具体があるから抽象化できるのであって、その逆の場合は後付けの薄ぺらいものになると考えられますよね。
診断に答えただけではそこには何の具体性もないわけです。
ESを書くことにも苦労するのではないでしょうか。
だって、具体エピソードから導いた言葉ではなく、抽象から紐づけした具体エピソードだからその整合性を取ることがまずもって難しいからです。何より思い出すことが困難です!笑
面接でも難しい局面は続くでしょう。
なぜなら、具体的エピソードという引き出しが圧倒的に他の受験生よりも少ないからです。
面接官は色々な角度で掘り下げてきますし、突拍子もない質問も投げかけてきます。
具体がない受験者は言葉に詰まりますよね。
どのように自己分析ツールを使うのか
私が考える自己分析ツールの使い方は、全て自己分析(棚卸しと軸みつけ)が終わってから、診断をしてみて出てきた言葉の中に自分の軸や価値観を表現していると思う単語や表現があればそれを言葉ストックとして頂くというもの。
あくまで自分の内側から出てくる手動の(?)自己分析が完了してから、診断ツールを使うのがおすすめです。そうすれば、抽象する際に自分では思いつかなかった単語や言い回しに出会えるかもしれず、そういったプロが考えたドラマティックな言葉たちは記憶に残りやすいからです。
まずは自分で自分を知る行動をする。
ここは省いてはいけません。
そもそも自分で自分を知ることが目的の一つです。
自己分析は面倒だから診断で楽してCA就活をしよう~♪と思っていた方はぜひ、手動の自己分析を楽しみながらまずはやってみてくださいね!
診断はその後よ!笑